銀河はずっと同じ姿で存在しているわけではありません。数十億年という時間の間には、銀河同士のの衝突や合体が起きています。そのような衝突が起きた時には何が起こるのでしょうか。
高解像度なシミュレーションをすることによって、銀河が平行に衝突した場合には星間ガスが圧縮されて星団が生まれることがわかりました(銀河衝突 I. 平行な衝突の場合)。 銀河衝突が引き金になる星団形成は、衝突の向きなどが大きく影響するはずです。斜めから衝突するシミュレーションを行った結果、衝突によってこれまで考えられていたよりも遥かに大きい質量の星団が形成されることが分かりました。
このシミュレーションでは、銀河の衝突速度は余り大きくないために、互いの重力に束縛されて、何度か衝突を繰り返して合体します。この映像は、一度すれ違った銀河同士が、再び斜めに衝突を起こすところから始まります。
最初のシーンでは2度目の衝突の時の位置関係をみています。銀河面は銀河軌道面に対してほぼ70度傾いています。
ズームアップして衝突の様子を詳しく見てみます。
銀河がお互いに斜めにすれ違いました。ガスが圧縮されて帯状に濃いガスの塊が生まれています。
この帯状のガス雲の中で星が生まれ、それらが合体して巨大な星団が形成されています。銀河は先ほどできた星団のいくつかを引き連れて、再びすれ違いました。
銀河は互いの重力に引かれて、やがて再び衝突を起こします。銀河の周りには、これまで考えられていたよりも遥かに大きい質量の星団が形成されています。
最終的に、銀河同士が合体して1つの大きな銀河になりました。合体した銀河の周囲には衝突で形成された大きな星団がいます。
| 計算目的 | 銀河衝突によるスターバーストと星団形成過程の解明 |
| 計算モデル | 計算手法:重力計算(TREE-GRAPE法)、ガス相互作用(SPH法)、放射冷却、星形成、超新星爆発 計算に使用した粒子数:ダークマター 2.8×107個, バリオン 2.3×106個(そのうちガスが51万体) |
| 使用した計算機 | 国立天文台 Cray XT-4 128コア(3ヶ月) |
| 現象の時間スケール | ~10億年 |
| 現象の空間スケール | ~50万光年 |
| 数値計算を行った人 | 松井秀徳(国立天文台)※研究当時 |
| 参考 Reference | Matsui, H. et al., The Astrophysical Journal, Volume 746, Issue 1, article id. 26, 11 pp. (2012). |
このシミュレーションは、星をあらわす粒子、ガスをあらわす粒子、ダークマターをあらわす粒子の3種類の粒子の運動を解いているものです。ここでは、星を表す粒子、ガスをあらわす粒子の2種類を表示して映像化しています。
この映像の前バージョンは2011年に公開したもので、当時の4D2Uで使用していたドーム投影のシステムに対応した解像度で作成されていました。投影機器の進歩で、今日ではより高解像度な映像が一般化しています。今回のバージョンは当時のデータを使い、カメラワークや色など多少の調整を行いより解像度の高い映像を新たに作成したものです。
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