4D2Uドームシアターの上映システムを更新し、2024年10月5日(土)から公開を再開します。
国立天文台三鷹キャンパスの4D2Uドームシアターは2006年12月に完成、2007年4月に公開を開始しました。スーパーコンピュータによるシミュレーションデータや観測装置から得られたデータを3次元で可視化したムービーコンテンツ、4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka」を使用した立体視映像などを直径10メートルのドームスクリーンに展開し、研究成果の普及のみならずエンタテインメント性を交えた演出は多くの方々から好評を得ています。
4D2Uドームシアターの上映システムは2015年4月から稼働を続けてまいりましたが耐用年数を過ぎ、コンピュータの不具合、プロジェクタの動作不全など、上映への支障が発生する頻度がしだいに増加してきました。このため、2024年8月から公開を休止して上映システム更新工事を開始し、このたび更新工事と調整が完了、2024年10月5日(土)から公開を再開する運びとなりました。直径10メートルのドームスクリーンに展開する映像は、これまでより明るく、さらに鮮明になりました。
4D2Uドームシアター仕様
ドーム直径:10メートル(傾斜角:10度)
座席数:40席
映像投影用コンピュータ
更新後(2024.10-) | 更新前(2015.04-2024.07) | |
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OS | Windows 11 Pro 64bit | Windows 7 Professional 64bit |
CPU | Intel Core i9-14900KF 3.2GHz (24(8+16)core) | Intel Xeon E5-1650v2 3.5GHz (6core 12thread) |
メインメモリ | 64 GB | 16 GB |
グラフィックカード | NVIDIA RTX 5000 Ada | NVIDIA Quadro K5000 |
台数 | 制御用 1台、映像投映用 12台、予備機 1台 |
映像投影用プロジェクタ
更新後(2024.10-) | 更新前(2015.04-2024.07) | |
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光源タイプ | シングルチップDLPレーザー蛍光体 | シングルチップDLPランプ式 |
解像度(1台あたり) | 2,716 × 1,600 ピクセル | 1,920 × 1,200 ピクセル |
輝度 | 7,000 センタールーメン | 4,000 ルーメン |
コントラスト比 | 1,200:1 シーケンシャル 10,000:1 ダイナミック |
7,500:1 ダイナミック |
ドーム全体の解像度 | 4K × 4K ピクセル | 3.2K × 3.2K ピクセル |
立体方式 | アクティブ・シャッタ式 | |
台数 | 6台 |
このたびの上映システムの更新に伴い、4D2Uプロジェクトでは新作映像「分子雲の中での星団形成」を制作しました。この作品は、国立天文台天文シミュレーションプロジェクト(CfCA)が運用する天文学専用スーパーコンピュータ「アテルイⅡ」で計算された、巨大分子雲から星の集団や大質量星が誕生するダイナミックな姿を映像化したものです。このシミュレーションでは、誕生したばかりの星々が互いの重力で運動しながら、周囲のガスを電離させていく様子が描き出されています。オリオン大星雲やプレアデス星団のような天体がどのように進化してきたのか、この映像で確かめることができます。
関連リンク:新しい高精度シミュレーションが明らかにした星団形成の現場 (2022年6月8日CfCAプレスリリース)
4D2Uプロジェクトでは、シミュレーションデータを科学的に忠実に可視化した立体映像を随時制作し、4D2Uウェブサイトやドームシアターで公開してきました。この新作映像も同様に、4D2Uウェブサイトにて公開するほか、11月の定例公開でも上映する予定です。
4D2Uドームシアターの定例公開については4D2Uドームシアター ウェブサイトをご覧ください。
4D2Uドームシアター:4D2Uドームシアター リニューアル
クリックでオリジナルサイズの画像を表示します。(クレジット:国立天文台)