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微惑星から地球型惑星へ(地球型惑星の形成)

太陽が形成されたとき、残りの材料から太陽の周りにちりとガスからなる円盤が形成されました。 これは原始惑星系円盤とよばれます。太陽系の惑星はこの原始惑星系円盤から生まれたと考えられています。

円盤の中のちりは、集まって直径数キロほどの微惑星となります。微惑星は、衝突合体を繰り返して、数百万年かけて数十個の原始惑星に成長していきます。最初は安定に太陽の周りを回っていた原始惑星は、やがて巨大衝突を起こし、一億年ほどで現在見られるような数個の地球型惑星へと成長します。

(「地球と月の誕生」から地球型惑星の誕生部分を独立させた映像です。また、微惑星から原始惑星への成長には「微惑星から原始惑星へ」のデータを用いています。)

シーン解説
図1

太陽が生まれたころ、太陽の材料になったガスやチリの残りが太陽の周りに円盤を形作っていました。このチリから、惑星の材料になる微惑星が数多く生まれたと考えられています。微惑星同士は衝突合体を繰り返し成長します。

図2

このとき一度に地球のような惑星まで成長するのではなく、最初に地球よりも小さな原始惑星が数十個形成されます。これらの原始惑星は、最初のうちは安定に太陽の周りを回っていますが、やがてお互いに重力で軌道を乱しあって、衝突を始めます。

図3

原始惑星の軌道を表示しています。はじめに数十個あった原始惑星は、原始惑星同士の巨大衝突を繰り返して最終的に数個の地球型惑星が残ります。

図4

現在の地球型惑星は、軌道が充分に離れているのでこれ以上の衝突は起こさないと考えられます。

数値計算詳細
基本となるモデル京都モデル
計算目的微惑星から地球型惑星の形成
計算モデル計算手法:重力多体シミュレーション + 完全合体
計算に使用した粒子数: 1-3×104
初期条件:林モデル
使用した計算機GRAPE-6
現象の時間スケール106
現象の空間スケール1AU
数値計算を行った人惑星形成:小久保英一郎(国立天文台)、巨大衝突:玄田英典(東京工業大学)
参考 ReferenceKokubo & Ida, 2002, ApJ, 581, 666
映像化詳細

数値計算結果を元に可視化を行っています。個々の天体の動きはすべてシミュレーション結果に基づいています。 データをCG用に変換し、動画を作成しました。天体の大きさは、そのままでは見えないので500倍に拡大しています。

主な使用ソフト:Maya
使用言語:perl,c++,mel
製作者:MullerHitoshi(三浦均、武蔵野美術大学映像学科教授)

映像クレジット

シミュレーション:小久保英一郎、玄田英典
可視化:三浦均
国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト

リリース情報

2009.10 バージョン1.0 公開

個人や学校教育での利用は自由です。クレジットの明記をお願いします。
博物館等での展示・上映および、映像番組・出版物などでの利用は事前の申請が必要です。
詳しくは利用規程をご覧ください。

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