私たちの住む地球とその衛星である月は、どのようにして生まれたのでしょう。 現在最も有力なモデルである、微惑星からの惑星集積と、巨大衝突による月の形成に基づいたコンピュータ・シミュレーションを元にした映像で、その成り立ちを見てみましょう。
※この映像は、国立天文台と共同研究者であるコニカミノルタプラネタリウム(株)、(株)五藤光学研究所が共同で制作したドーム投影用番組の「地球と月の誕生」を、平面用に変換した映像です。 これらの番組のドーム投影用映像の優先配給権は、コニカミノルタプラネタリウム、五藤光学研究所が有しています。
太陽系内を移動し、木星のすぐそばを通り過ぎました。太陽系の中にも、岩石(地球型)惑星やガス(木星型)惑星があり、それぞれに異なった形成の仕方をしたと考えられています。この番組では太陽系の中でも、私たちの住む地球の誕生について紹介していきます。
太陽が生まれたころ、太陽の材料になったガスやチリの残りが太陽の周りに円盤を形作っていました。このチリから、惑星の材料になる微惑星が数多く生まれたと考えられています。微惑星同士は衝突合体を繰り返し成長します。
このとき一度に地球のような惑星まで成長するのではなく、最初に地球よりも小さな原始惑星が数十個形成されます。これらの原始惑星は、最初のうちは安定に太陽の周りを回っていますが、やがてお互いに重力で軌道を乱しあって、衝突を始めます。
原始惑星の軌道を表示しています。はじめに数十個あった原始惑星は、原始惑星同士の巨大衝突を繰り返して最終的に数個の地球型惑星が残ります。
地球は、巨大衝突を繰り返して成長しました。月はこうした巨大衝突の、おそらく最後の衝突によって生まれたのではないかと考えられています。
中心からはずれたところに衝突をすることによって、衝突天体は完全に地球と合体して一つになるのではなく、その一部が地球の周りを回る円盤を形成します。これが月の材料になります。
冷えて溶岩のようになった月の材料は、自分の重力で集まり無数の月になります。これらの月の種は合体して急速に成長します。
一ヶ月ほどもすると、すべての月の種を食べつくして、一つの大きな塊が残ります。これが月です。地球の月もこのようにして生まれたのではないかと考えられています。
月の起源は、地球の起源、すなわち私たちの起源と密接に結びついているのです。
この映像のシミュレーション部分は主に「地球型惑星の形成」「月の形成」の映像をさらに再調整して製作されたものです。